小規模事業者持続化補助金の創業型|従業員ゼロでも最大250万円もらえる

個人事業主や小さい会社でも使いやすくて人気の小規模事業者持続化補助金。通常は50万円が上限…ですが、創業後3年以内だと従業員がいなくても最大250万円がもらえるってご存じですか?この記事では、小規模事業者持続化補助金「創業型」について解説します。これから創業予定の方、創業3年以内の方は必見です!

目次

創業型と通常枠の違い

小規模事業者持続化補助金には「通常枠」と「創業型」の2種類があります。どちらも販路開拓や業務効率化を支援するための制度ですが、創業型はとくに創業間もない事業者に向けた特別な枠です。では、どこに差があるのでしょうか。ここから具体的な違いをひとつずつ見ていきましょう。

補助上限額の違い

通常枠では補助金の上限が50万円から始まります。一方、創業型は最初から200万円が上限に設定されており、さらにインボイス登録を行えば追加で50万円を上乗せできます。創業初期は広告や設備投資にまとまった費用が必要になる場面が多いため、この金額差は大きいでしょう。

たとえば、ホームページ制作と店舗改装を同時に行いたい場合、通常枠では予算が不足するケースもありますが、創業型なら両方をカバーできる可能性が高くなります。

申請できる人の要件の違い

創業型では「創業3年以内」であることに加えて、「特定創業支援等事業」の認定を受けていることが条件です。認定を受けるには、自治体や支援機関が実施する面談やセミナーを受け、正式に支援を受けたと認められる必要があります。

通常枠にはこのような条件はないため、創業から3年以上経っている事業者や、特定創業支援を受けていない場合は通常枠を選ぶことになります。

特定創業支援のセミナーは比較的簡単に受講できます。詳しくは以下の動画をご参照ください。

必要書類の違い

創業型では「特定創業支援等事業の証明書」が必要となります。証明書はすぐに発行されるわけではなく、面談やセミナーを終えてから申請する流れになります。場合によっては1〜2ヶ月の期間を見込む必要があります。

証明書の準備が遅れると申請そのものが間に合わなくなるリスクもあるため、余裕のあるスケジュール設定が重要です。

小規模事業者持続化補助金創業型の概要

創業型は、立ち上げたばかりの事業者が販路を広げたり経営基盤を整えたりするために活用できる補助金です。創業初期の資金は限られていることが多いため、補助金を上手に使えば事業のスタートダッシュを加速させられます。具体的にどのような内容なのか、詳しく見ていきましょう。

補助率と上限額

創業型の補助率は3分の2と通常枠と同じですが、上限は200万円です。さらにインボイス登録をすると最大250万円まで受け取れます。創業時は投資したいポイントが多く、広告費や設備投資が思ったより高額になることも珍しくありません。インボイス特例を活用すれば375万円(税抜)の投資に対して250万円の補助金を受け取れるため、資金に余裕のない創業初期には非常に心強いでしょう。

対象となる経費

対象経費は幅広く設定されています。広告宣伝費では、チラシやパンフレットの制作、ホームページの立ち上げなどが含まれます。設備投資費では、店舗改装や製造機材の購入などが対象です。創業初期に必要な投資の多くはこの中に含まれるため、資金を有効に使いやすい制度といえます。

また、ただ設備を整えるだけでなく、「どう販路を拡大するか」という戦略と結びつけて計画することで、補助金の効果を最大化できます。

申請できる人の条件

申請には2つの条件があります。

  1. 創業から3年以内であること
  2. 特定創業支援等事業の認定を受けていること

2つ目の特定創業支援等事業の認定について、法人の場合は代表者本人、個人事業主の場合は本人自身が認定を受ける必要があり、他の役員などが受講しただけでは対象外になります。

厳しい条件に見えるかもしれませんが、創業支援を受けることで経営知識やネットワークも得られるため、結果的には事業の土台づくりに役立ちます。

持続化補助金「創業型」と「一般枠」はどちらがお得?徹底比較

創業型がどれほど有利なのか、「一般枠」と比較しながら詳しく見ていきましょう。

補助上限額の違い:200万円 vs 50万円

もっとも大きな違いは、基本的な補助上限額です。

  • 一般枠:50万円
  • 創業型:200万円

創業型は、スタートラインの時点で一般枠の4倍の金額が設定されており、創業初期の設備投資や販路開拓に、より大きな資金を活用できます。

インボイス特例を適用した場合の上限額を比較

免税事業者からインボイス発行事業者に転換する場合に適用される「インボイス特例」では、上限額がさらに上乗せされます。

  • 一般枠+インボイス特例:50万円+50万円=100万円
  • 創業型+インボイス特例:200万円+50万円=250万円

ここでも大きな差がつくことになります。

なぜ創業初期には「創業枠」での申請がおすすめなのか

一般枠では、上限額を250万円まで引き上げるために「賃金引上げ枠」などの追加要件を満たす必要があります。しかし、創業して間もない事業者にとって、従業員の賃金を大幅に引き上げるのは簡単なことではありません。

その点、創業枠は特別な追加要件なしで最初から200万円(インボイス特例で250万円)という高い補助上限額が設定されているため、創業初期の事業者にとって非常に利用しやすく、断然お得といえるでしょう。

小規模事業者持続化補助金創業型で注意すべきポイント

創業型は一度採択されると再度申請ができません。そのため、初めての申請時にどこまで事業計画を詰めるか、つまり必要な物品やサービスを計画書に盛り込むかが費用軽減の鍵を握ります。

また、スケジュール管理も重要です。後述しますが、小規模事業者持続化補助金の申請には、商工会議所から「事業支援計画書」を発行してもらう必要があります。事業支援計画書の発行はおおむね1週間程度かかります。創業型に必須の「特定創業支援等事業の証明書」発行には1~2か月がかかります。

事業計画の作成と並行して書類の手配が必要となるため、早めに動き出すことで、準備不足による失敗を防げます。

小規模事業者持続化補助金創業型 申請の流れ

申請手続きは通常枠とほぼ同じですが、電子申請が必須である点やスケジュール管理が重要なポイントになります。ここではステップごとに解説します。順序を理解しておくことで、初めてでも迷わず進められます。

1. GビズIDプライムの取得

何はなくとも必要なのがGビズ(gBiz)IDプライムのアカウントです。電子申請しか受け付けていないため、これを持っていないと申請自体ができません。法人・個人ともにマイナンバーカードがあればオンラインで翌営業日には発行されます。時間はかからないものの、ID取得を後回しにすると全体のスケジュールが後ろ倒しになる原因となるため、最初に済ませておくのが安心です。

2. 商工会議所への事業支援計画書の依頼

小規模事業者持続化補助金は、事業計画書を作っただけでは申請できません。必ず商工会議所や商工会に確認してもらい、「事業支援計画書」(通称「様式4」)という書類を発行してもらう必要があります。ここで計画の内容についてもアドバイスが得られるため、単なる手続きではなく計画を磨く機会として活用する人も多いです。

3. 電子申請~交付申請~事業実施

申請書類は電子で提出し、郵送は不可です。申請後は審査を経て、採択か不採択かのお知らせが入ります。採択後はすぐに発注せず、交付申請といって、補助金額の決定をする手続きをします。この際に見積書の提出が必要です。交付申請を経て、交付決定通知を受けたら、晴れて事業実施(=発注)が可能となります。

交付決定前に発注してしまうと、その経費は補助対象外になるので注意が必要です。うっかり、交付決定前に発注をしてしまい、補助金がもらえなくなる事例が頻発しています。発注は必ず交付決定が下りてから実施しましょう。

4. 実績報告書・事業効果報告書

事業が完了したら実績報告書を提出し、補助金額が確定します。さらに、補助事業終了から1年後には補助事業の完了から1年後には「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引 上げ等状況報告書(交付規程様式第14号)」、通称「事業効果報告書」の提出が必要です。義務付けられているので、必ず提出しましょう。

小規模事業者持続化補助金創業型 申請時の注意点

最後に、申請時に見落としやすいポイントを押さえておきましょう。これらを事前に理解しておくと、準備の段階でつまずくリスクを減らせます。

採択=発注OKではない

採択されたからといってすぐに発注してしまうと、その費用は補助対象になりません。交付決定を受けてからの発注がルールです。交付決定を受ける前に発注してしまうと、いかなる場合でも補助金が受け取れなくなるので注意が必要です。

特定創業支援等事業の証明書取得に時間がかかる

特定創業支援等事業の証明書は即日発行ではありません。面談やセミナーを経てからの発行になるため、1〜2ヶ月は見込んで動くことをおすすめします。

申請期限から逆算してスケジュールを組むことが非常に大切です。つい、事業計画作成に気を取られがちですが、スケジュール管理にも気を配りましょう。

電子申請の準備を早めに済ませる

GビズIDプライムや電子データの準備を後回しにすると、提出直前で間に合わないケースがあります。書類だけでなく、申請システムへの慣れも重要です。実際の提出前にログインや操作を試しておくと安心です。

まとめ

小規模事業者持続化補助金は、比較的簡単な補助金で、自力で応募される事業者の方も少なくありません。しかし、日々の業務と並行して申請準備を進めるのは想像以上に負担が大きく「とても大変だった」という声を多く聞きます。創業間もない事業者様なら、なおさら大変かもしれません。

株式会社エムアイエスでは、小規模事業者持続化補助金に関する豊富な支援実績があります。事業計画の作成だけでなく、スケジュール管理や商工会議所とのやり取りに関するアドバイスまで、一貫したサポートをご提供できるのが強みです。「挑戦してみたいけれど不安がある」という方は、ぜひ無料相談をご活用ください。小規模事業者持続化補助金はもちろん、その他の補助金に関するご相談もお待ちしております。

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この記事を書いた人

山口県山口市(旧:阿知須町)生まれ 山口県立山口高校、立命館大学経済学部卒業

大学卒業後、山口県中小企業団体中央会に入職。ものづくり補助金事務局を9年間担当。

2022年5月に独立し、株式会社Management Intelligence Service(現:株式会社エムアイエス)を立ち上げる。経営コンサルタントとして支援した企業はのべ1,000社以上。ITやマーケティングに関する知見の深さと、柔軟な発想力による補助金獲得支援に定評がある。自らのM&A経験を活かした企業へのM&A支援も得意とする。
「山口県から日本を元気にする経営コンサルタント」を合言葉に、山口県内の企業はもちろんのこと、県外企業へのコンサルティングも積極的におこなっている。

〈保有資格・認定〉
中小企業診断士
応用情報技術者

〈所属・会員情報〉
山口県中小企業診断士協会 正会員
山口県中小企業組合士会 正会員
山口県中小企業家同友会 正会員

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