デジタル化・AI導入補助金 通常枠の補助額と申請額150万円以上の賃上げ要件

デジタル化・AI導入補助金 通常枠の補助額と申請額150万円以上の賃上げ要件

この記事は『デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)(2026年2月27日新規作成・2026年8月28日改訂)』にもとづいています(2026年10月確認)。

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の通常枠で「いくらまで補助されるのか」「申請額が150万円以上になると何が変わるのか」を、公募要領(通常枠)に沿って整理します。結論から言うと、補助額は5万円から450万円までで、補助金の申請額が150万円以上のときは、賃上げの計画を作って従業員に表明することが申請要件になり、達成できなければ補助金の返還を求められます。2026年10月時点の情報です。制度全体の選び方は中小企業が使える補助金おすすめ5選もあわせてご覧ください。

目次

通常枠の補助額と補助率はいくら?

通常枠の補助額は5万円から450万円までで、「5万円〜150万円未満」と「150万円〜450万円以下」の2段階に分かれます。補助率1/2以内が原則で、最低賃金に近い水準で働く従業員が多い事業者は補助率2/3以内になります。どちらの段階で申請するかは、導入するITツールのプロセス数と、賃上げを約束できるかどうかで決まります。

補助金申請額補助率必要なプロセス数賃上げの扱い
5万円〜150万円未満1/2以内(条件を満たせば2/3以内)1プロセス以上加点項目(旧IT導入補助金の交付決定を受けた事業者は必須)
150万円〜450万円以下1/2以内(条件を満たせば2/3以内)4プロセス以上申請要件(必須)

補助率が2/3以内になるのは、令和6年10月から令和7年9月までの間に、その期間の地域別最低賃金以上で、令和7年度に改定された地域別最低賃金未満の賃金で雇っている従業員が、全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合です。この適用を受けるときは、賃金状況報告シートなどの様式を追加で出します。

インボイス枠・セキュリティ対策推進枠と一緒に申請できる?

通常枠の交付申請は1法人・1個人事業主あたり1回だけで、同時に複数の通常枠の申請はできません。ただし、同じ期間にインボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)やセキュリティ対策推進枠を申請し、交付決定と補助金の交付を受けることはできます。オプションや役務が両方の申請に入っていると、二重計上として交付決定の取消しと全額の返還を求められる場合があります。なお、旧IT導入補助金2025の通常枠で交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12カ月の間は通常枠に申請できません。

プロセス数とは?申請額150万円の境目で何が変わるか

プロセスとは、ITツールが受け持つ業務の区分のことで、申請額が150万円未満なら1プロセス以上、150万円以上なら4プロセス以上をITツールが含んでいる必要があります。補助上限額450万円まで申請できるのは、4プロセス以上をそろえた場合だけです。申請額の大きさは、導入するツールがどれだけ多くの業務をカバーするかで決まると考えると分かりやすくなります。

  • 共通プロセス:顧客対応・販売支援、決済・債権債務・資金回収、供給・在庫・物流、会計・財務・経営、総務・人事・給与・労務など
  • 業種特化型プロセス:業種ごとの固有の業務
  • 汎用プロセス:業種・業務を問わず生産性を上げるもの。汎用プロセスだけのITツールは単独では申請できず、業務プロセスと組み合わせて1プロセスと数える

たとえば、販売管理だけを入れるなら1プロセスで足りますが、販売・在庫・会計・給与をまとめて入れて150万円以上を申請する場合は、4種類以上のプロセスがそろっているかをIT導入支援事業者と一緒に確かめます。4プロセス以上の要件を満たしていても、申請額をあえて5万円以上150万円未満にとどめることもできます。

補助の対象になる経費・ならない経費は?

補助の対象は、IT導入支援事業者があらかじめ事務局に登録したITツールの導入費用で、ソフトウェア・オプション・役務の3つに分かれます。登録されていないツールや、交付決定の前に買ったツールは対象外です。サブスクリプションのソフトウェアは最大2年分、機能拡張は最大1年分、役務は合計200万円までと、区分ごとに補助の対象になる範囲が決まっています。

区分主な中身補助の対象になる範囲
ソフトウェア(カテゴリー1)業務ソフト。買い切り、月額・年額の利用料サブスクリプション形式などは最大2年分
オプション(カテゴリー2〜4)機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ機能拡張は最大1年分
役務(カテゴリー5〜7)導入・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート役務の合計で200万円が上限。保守サポートは最大2年分

補助の対象にならない経費

公募要領は、次のような経費を補助の対象外としています。見積の段階で外しておくと、交付申請のあとで直す手間が減ります。

補助の対象になる経費とならない経費の図。対象は登録済みのITツールで、ソフトウェア(サブスクリプションなどは最大2年分)、オプション(機能拡張は最大1年分)、役務(合計200万円が上限)。対象にならないのは、リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)、中古品、交付決定の前に購入したITツール、交通費・宿泊費、消費税などの公租公課。
図1 補助の対象になる経費・ならない経費
  • 交通費・宿泊費
  • 消費税などの公租公課
  • 交付申請の時点で利用金額が決まっていないもの、対外的に無償で提供されているもの
  • リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)
  • 中古品
  • 交付決定の前に購入したITツール
  • 補助事業者の顧客が実質的に負担する費用がITツールの代金に含まれるもの

申請額が150万円以上のときの賃上げ要件とは?

補助金の申請額が150万円以上の場合は、交付申請の翌事業年度から3年間の計画で、1人当たり給与支給総額の伸び・事業場内最低賃金の水準・従業員への表明の3つをすべて満たすことが申請要件です。申請額が150万円未満でも、旧IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、この賃上げが必須になります。医療・介護・社会福祉・学校などは、この賃上げ要件の適用外です。

  1. 1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の年平均成長率を3パーセント以上にする(旧IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は3.5パーセント以上)
  2. 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を、地域別最低賃金+30円以上の水準にする
  3. 交付申請の時点で、1と2の賃金引上げ計画を作り、従業員に表明している

注意:この記事の賃上げ要件は、第6次締切分(2026年10月30日(金)17:00締切)までの公募要領によるものです。第7次公募回からは、申請額が150万円以上の場合、1年後に1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)を3パーセント以上向上させることが申請要件に加わります。旧IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、1年後に3.5パーセント以上です。第7次から申請する場合は、事務局の第7次公募回以降における制度変更のお知らせと改訂版の公募要領で要件を確かめてください。

あわせて、通常枠では申請額にかかわらず労働生産性の計画も必要です。1年後に労働生産性を3パーセント以上、計画期間の年平均で3パーセント以上伸ばす計画を作ります。労働生産性は「(営業利益+人件費+減価償却費)÷年間の総労働時間」で計算します。

注意:交付申請で「賃金引上げ計画を従業員に表明した」と申告したのに、交付決定のあとで実際には表明していなかったと分かった場合、交付決定は取り消されます。表明した日と方法(説明会、書面の配布など)を記録に残しておきます。

補助金の賃上げ表明では、事務局10年の実務で次の扱いが定着しています。表明書の日付は従業員に実際に周知した日にし、計画の内容を変えたら日付も改めます。周知したメールや掲示の写真など、表明した証拠を残します。ほかの補助金では、交付申請の段階で周知の証拠を求められた例もあります。

賃上げが未達だと補助金はどうなる?返還の仕組み

賃金引上げの目標を達成できなかった場合は、補助金の返還を求められます。返還額は補助金の交付額が上限で、加算金・延滞金は付きません。期間内に効果を報告しなかった場合も未達と同じ扱いです。賃上げが必須の申請者が、効果報告や達成状況の判定の前に辞退した場合も、要件の未達とみなされて補助金の全額の返還になります。

未達の目標判定のタイミング返還の考え方
事業場内最低賃金(地域別最低賃金+30円以上)毎年の効果報告の直近月1年度目の未達は全額、2年度目は2/3、3年度目は1/3を返還
1人当たり給与支給総額(年平均3パーセント以上)事業計画終了時点(3年度目)全額の返還を求められる場合がある

事業場内最低賃金の返還額は、補助金の額を3年で割り、未達となった年以降の年数を掛けて計算します。ただし、付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)が十分に伸びなかった場合や、天災など事業者の責任でない理由がある場合は、返還を求めない決まりもあります。

未達を防ぐには、計画期間の途中で数字を確かめる段取りが欠かせません。実務では、賃金台帳を四半期から半年ごとに見て、判定の対象になる事業年度が期中のうちに今期の見込みを出し、足りなければ期末までに手を打ちます。1人当たり給与支給総額は平均なので、全員の給与を上げていても、給与の高い人の退職や採用で下がることがあります。採用・退職の予定は早めに計画に反映します。

加点・減点になるのはどんな場合?

通常枠は提出書類で審査され、クラウド製品の選定や賃金引上げの計画など、決められた取り組みをしていると加点されます。反対に、旧IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者や、前回と同じプロセスのソフトウェアを入れる事業者は減点されます。交付申請の前に、当てはまる項目を一覧で確かめておきます。

主な加点項目

  • 導入するITツールとして、クラウド製品、サイバーセキュリティお助け隊サービス、インボイス制度対応製品を選んでいる
  • 交付申請までに、デジタル化セカンドオピニオンの取り組みを済ませている(確認者との面談を終えてから申請する)
  • 賃金引上げ計画を作り、従業員に表明している(補助金の申請額が150万円未満の申請者の加点。事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上にすると、さらに加点)
  • 中小機構の「IT戦略ナビwith」または「IT経営サポートセンター」を利用している
  • 「健康経営優良法人2026」の認定や、えるぼし・くるみんなどの認定を受けている
  • 中小企業庁「成長加速マッチングサービス」に挑戦課題を登録している、中小機構「省力化ナビ」で解決策を確認している
  • 最低賃金に近い水準の従業員が多い(補助率2/3と同じ条件)、または交付申請の直近月の事業場内最低賃金を、令和7年7月の水準+63円以上にしている

注意:加点を受けて採択されたのに加点の要件を達成できなかった場合は、未達の報告から18カ月の間、中小企業庁が所管する他の補助金の審査で減点を受けます。申請額150万円未満で賃上げの加点を取りにいくかどうかは、3年間の人件費の見通しを立ててから決めます。

減点になる場合

旧IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者と、デジタル化・AI導入補助金2026のインボイス枠で申請中または交付決定を受けた事業者は減点されます。会計・受発注・決済など前回と同じ機能のITツールを入れる場合はさらに減点され、旧IT導入補助金2024・2025で入れたソフトウェアとプロセスが完全に一致する場合は不採択です。前回の申請内容と今回のツールのプロセスを比べておきます。

たとえば小売業で、POSレジと在庫管理・会計のソフトをまとめて入れる場合、4プロセス以上をそろえて150万円以上で申請するか、申請額を150万円未満に抑えて賃上げを加点として検討するかで、3年間に約束することが変わります。自社の場合にどちらが合うかを確かめたい方は、無料相談で導入予定のツールと賃金の状況をお聞かせください。
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IT導入支援事業者と一緒に申請する流れは?

この補助金は、申請者(中小企業・小規模事業者等)とIT導入支援事業者が「共同事業体」になって申請する仕組みで、ITツールを選ぶところからIT導入支援事業者への相談が前提です。事業計画とITツールの情報はIT導入支援事業者が入力し、申請者が申請マイページで内容を確かめて宣誓し、事務局へ交付申請を出します。

IT導入支援事業者と申請する5つの順番の図。GビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言、IT導入支援事業者に相談してITツールを決める、申請マイページに招待してもらい申請者情報を入力する、IT導入支援事業者がIT事業者ポータルで事業計画とITツールの情報を入力する、申請者が申請マイページで確認・宣誓して交付申請を出す。
図2 IT導入支援事業者と申請する流れ
  1. GビズIDプライムを取得し、SECURITY ACTION(一つ星または二つ星)を宣言する
  2. IT導入支援事業者に相談し、導入するITツールを決める
  3. IT導入支援事業者から「申請マイページ」に招待してもらい、申請者情報を入力する
  4. IT導入支援事業者が「IT事業者ポータル」で事業計画とITツールの情報を入力する
  5. 申請者が申請マイページでITツール情報と事業計画を確認し、宣誓して事務局へ交付申請を出す

事業計画の数字(営業利益、人件費、1人当たり給与支給総額、事業場内最低賃金など)は、IT導入支援事業者と確認したうえで事務局に報告します。入力を任せきりにせず、自社の決算書と賃金台帳で数字を確かめてから宣誓します。申請マイページのIDとパスワードは、IT導入支援事業者を含む第三者に渡してはいけない決まりです。

実務でつまずきやすいのは、登録情報の表記の食い違いです。GビズIDプライムや申請マイページに入れる会社の名称・住所は、履歴事項全部証明書(個人事業主は確定申告書)と同じ表記にそろえます。最初の登録でそろえておくと、確認のやり取りで時間を取られずに済みます。

申請の前にそろえる要件と書類

申請者は、GビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの一つ星または二つ星の宣言に加えて、交付申請の直近月に事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上であることが求められます。申請者自身が管理する携帯電話番号も1つ登録します。交付申請に添付する書類は、法人なら次の3種類で、代わりの書類は認められません。

  • 履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの)
  • 税務署で発行された直近分の法人税の納税証明書(「その1」または「その2」)
  • 直近分の貸借対照表と損益計算書

個人事業主は、運転免許証などの本人確認書類、所得税の納税証明書、税務署が受領した確定申告書の控え、青色申告決算書または収支内訳書の4種類をそろえます。確定申告書の控えは、受付番号と受付日時が印字されたものか、受信通知を添えたものに限られます。

IT導入支援事業者を選ぶときに確かめること

IT導入支援事業者は、ツールの値段だけでなく、申請から効果報告までの進め方で比べます。依頼する前に、次の点を聞いておきます。

  • 導入したい業務を、登録済みのITツールで何種類のプロセスまでカバーできるか(申請額150万円以上なら4種類以上)
  • 見積の内訳がソフトウェア・オプション・役務に分かれていて、補助の対象外の費用が入っていないか
  • 交付決定のあとの契約・請求・支払いの段取りと、実績報告・効果報告をどこまで一緒に進めてくれるか
  • 自己負担を実質的に減らす・無償にするといった提案(キャッシュバックを含む)をしていないか

自己負担を減らすような還元は補助金の目的に反する行為とされ、交付決定の取消しの対象になります。賃上げ計画や労働生産性の数字づくりを外部の専門家にも相談するかは、150万円以上で申請して賃上げ要件を引き受けるかどうかで考えると決めやすくなります。

交付決定のあとは何をする?契約・支払い・効果報告

交付決定を受けたら、ITツールの契約・発注、納品・導入、代金の請求・支払いを、交付決定日からおおむね6か月の間に済ませて実績報告を出します。契約・発注は必ず最初に行い、支払いの前にIT導入支援事業者からの請求が必要です。補助金が交付されたあとも、交付申請時点の翌事業年度から3年間の効果報告が続きます。

注意:交付決定の前にITツールを契約・発注すると、補助の対象になりません。確定検査で、契約・発注より先に納品や支払いがあった場合や、請求より先に支払いがあった場合も、補助金を受けられず交付決定の取消しになることがあります。

支払いの方法と実績報告で出す書類

支払いは、補助事業者の口座からIT導入支援事業者の口座への銀行振込か、クレジットカードの1回払いに限られます。現金での支払いや分割払い・リボルビング払いは認められず、法人は法人名義の口座から決済されるカードを使います。実績報告では、請求書(一式の表記なら請求明細書も)、振込明細書などの支払いの証憑、補助金を受ける口座の情報、ITツールを使っていることが分かる画面のキャプチャを出します。

事務局の運用では、見積書・請求書・振込の記録で品名と金額がそろっていないと、確認のやり取りが増えます。見積の段階から申請したITツールと同じ品名で明細を出してもらい、振込手数料の差で支払額がずれないように段取りを決めておきます。契約書や請求書などの書類は、補助事業が完了した年度の終わりから5年間保管する決まりです。

事業実施効果の報告は3年間続く

事業が終わったあとも、営業利益・人件費・1人当たり給与支給総額・事業場内最低賃金などの数字と、ITツールを使い続けていることを示す書類を、効果報告期間に報告します。1年度目は交付申請時点の翌事業年度が対象で、報告期間は2028年4月〜2029年1月です。導入したITツールを解約・利用停止した場合は辞退の手続きが要り、補助金の返還を求められる場合があります。

直近の締切はいつ?

2026年10月時点で公表されている通常枠の締切は、2026年10月30日(金)17:00で、交付決定日は2026年12月10日(木)の予定です。交付決定から2027年5月31日(月)17:00までが事業実施期間(予定)です。交付申請の受付は2026年3月30日に始まり、締切は回ごとに事務局のスケジュールページで公表されます。

通常枠の日程の図。2026年3月30日に交付申請の受付開始、締切は2026年10月30日17:00、交付決定は2026年12月10日の予定、事業実施期間は2027年5月31日17:00まで(予定)、1年度目の効果報告期間は2028年4月から2029年1月。
図3 通常枠の日程(2026年10月時点)

この締切に間に合わせるには、GビズIDプライムの取得、SECURITY ACTIONの宣言、IT導入支援事業者とのツール選び、賃金引上げ計画の表明を、締切から逆算して済ませておく必要があります。次の締切は、事務局のスケジュールページで公表されしだい確かめてください。AIを含むITツールの選び方はIT補助金・AI導入の解説でも紹介しています。

よくある質問

Q. 申請額150万円以上の申請で、賃上げ要件だけを外すことはできますか?

A. できません。申請額が150万円以上の場合、1人当たり給与支給総額の伸び、事業場内最低賃金の水準、従業員への表明の3つが申請要件です。賃上げの見通しが立たない場合は、申請額を150万円未満に抑える方法もあります。

Q. 補助率2/3はどんな事業者が対象ですか?

A. 令和6年10月から令和7年9月までの間で、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇っている従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある事業者です。適用を受けるには、賃金状況報告シートなどの様式を追加で出します。

Q. クラウドの利用料は何年分まで補助されますか?

A. 月額・年額で利用料が決まっているサブスクリプション形式のソフトウェアは、最大2年分が補助の対象です。機能拡張のオプションは最大1年分、保守サポートは最大2年分までです。

Q. IT導入支援事業者を通さずに自社だけで申請できますか?

A. できません。補助の対象は、IT導入支援事業者が事務局に登録したITツールに限られ、申請もIT導入支援事業者と共同事業体を組んで行います。まず、導入したいツールを扱う登録済みのIT導入支援事業者を探します。

Q. 交付決定の前にソフトを契約してしまいました。補助の対象になりますか?

A. 対象になりません。交付決定の前に契約・発注・納品・支払いをしたITツールは補助を受けられないため、契約は交付決定を待ってから行います。

まとめ

通常枠は、補助金の申請額が5万円〜150万円未満なら1プロセス以上、150万円〜450万円以下なら4プロセス以上のITツールが対象で、補助率は原則1/2以内です。申請額が150万円以上のときは、3年間の賃上げ(1人当たり給与支給総額の年平均3パーセント以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上、従業員への表明)が申請要件になり、未達なら返還を求められます。

申請の前に、公募要領(通常枠)の2-1-1(申請要件、p.9〜14)と2-3(補助額、p.19)を読み、自社の賃金台帳で事業場内最低賃金と1人当たり給与支給総額を出してみてください。そのうえで、IT導入支援事業者と導入するツールのプロセス数と対象外の経費を確かめ、申請額を150万円以上にするかどうかを決めます。事業計画の数字の組み立て方は補助金の事業計画書の書き方も参考になります。

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参考資料

※本記事は2026年10月時点で公表されている公募要領・公式サイトの情報をもとに作成しています。要件・日程・補助額は変わることがあります。申請の前に、必ず最新の公募要領をご確認ください。

この記事について

執筆:補助金サポートセンター編集部
監修:松村 昌典(2026年10月9日 監修)
株式会社エムアイエス 代表/中小企業診断士・応用情報技術者。補助金の申請支援に約15年携わり、うち10年は ものづくり補助金の事務局の運営を経験。支援実績2,000件超。制度の要件と審査の見方をふまえて、中小企業の事業計画づくりを支援しています。

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この記事を書いた人

山口県山口市(旧:阿知須町)生まれ 山口県立山口高校、立命館大学経済学部卒業

大学卒業後、山口県中小企業団体中央会に入職。ものづくり補助金事務局を9年間担当。

2022年5月に独立し、株式会社Management Intelligence Service(現:株式会社エムアイエス)を立ち上げる。経営コンサルタントとして支援した企業はのべ1,000社以上。ITやマーケティングに関する知見の深さと、柔軟な発想力による補助金獲得支援に定評がある。自らのM&A経験を活かした企業へのM&A支援も得意とする。
「山口県から日本を元気にする経営コンサルタント」を合言葉に、山口県内の企業はもちろんのこと、県外企業へのコンサルティングも積極的におこなっている。

〈保有資格・認定〉
中小企業診断士
応用情報技術者

〈所属・会員情報〉
山口県中小企業診断士協会 正会員
山口県中小企業組合士会 正会員
山口県中小企業家同友会 正会員

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