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この記事は『デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)第7回公募〜(改訂版)(2026年10月9日・新規作成)』にもとづいています(2026年10月確認)。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、2026年10月9日に公募要領(通常枠)の改訂版が公表され、第7次公募回から申請要件が変わります。通常枠は、ソフトウェアやクラウドなどのITツールの導入費を補助する基本の枠です。変わったのは、1年後の給与+3%(過去に交付決定を受けた事業者は+3.5%)・給与の基準年度・1年度目の判定・補助率2/3の判定期間・加点(審査で点が加わる項目)14・15の基準の5つです。この記事では、交付申請を補助金の申請、交付決定をその申請が認められた通知の意味で使います。6次(2026年10月30日締切)に出すか7次を待つかを決める材料として、変更点だけを短くまとめました。2026年度の初めの名称変更は扱いません。制度全体の選び方は中小企業が使える補助金おすすめ5選もご覧ください。
2026年10月9日に事務局が公表した改訂版の公募要領で、第7次公募回から「1人当たり給与支給総額の向上」の申請要件が加わります。あわせて、給与の基準年度の明記・1年度目の判定の扱い・補助率2/3の判定期間・加点14・15の基準の4つが変わりました。6次締切分までは旧要領のままです。旧要領と改訂版の差を、下の表にまとめます。
表の記号は、公募要領「2-1-1 申請要件」の項目です。(ト)=申請額150万円以上・交付決定歴なし、(テ)=申請額150万円未満・交付決定歴あり、(ナ)=申請額150万円以上・交付決定歴あり、(ニ)=要件の適用外の事業者です。1人当たり給与支給総額は、役員報酬を除く給与等の総額を、非常勤を含む従業員の数で割ったものです。年平均成長率は、交付申請の翌事業年度から3年間の事業計画期間の平均の伸び率を指します。「1年後」は、そのうち1年度目の伸びです。事業場内最低賃金は自社の事業場で最も低い賃金、地域別最低賃金は都道府県ごとの最低賃金です。
| 項目 | 6次まで(旧要領) | 7次から(改訂版) |
|---|---|---|
| 申請額150万円以上・交付歴なし(ト) | 年平均成長率+3% | 年平均成長率+3%に加え、1年後に+3% |
| 交付歴あり(テ)(ナ)=申請額150万円未満も対象(新旧とも) | 年平均成長率+3.5%(1年後の条文なし) | 年平均成長率+3.5%に加え、1年後に+3.5% |
| 給与の基準年度 | 記載なし | 交付申請日の属する事業年度 |
| 1年度目の判定 | 記載なし | 判定するが未達でも返還なし |
| 補助率2/3の判定期間 | 令和6年10月〜令和7年9月 | 令和7年10月〜令和8年9月 |
| 加点14の判定期間 | 令和6年10月〜令和7年9月 | 令和7年10月〜令和8年9月 |
| 加点15の基準 | 令和7年7月の事業場内最低賃金+63円以上 | 令和8年6月の事業場内最低賃金+55円以上 |
給与の要件の追加は、通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠が対象です。補助率2/3の判定期間の変更は通常枠だけです。改訂版の要領は、事務局の資料ダウンロードのページで資料名に「第7回公募〜」と付いたものです(2026年10月9日・新規作成)。電子取引類型は、その類型の要領で確かめてください。
改訂版では、給与の要件に「1年後」の伸びが加わりました。過去に交付決定を受けていない事業者は、申請額150万円以上のとき1年後に+3%以上です((ト))。旧IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、申請額150万円未満でも、1年後に1人当たり給与支給総額を+3.5%以上にします((テ)(ナ))。年平均成長率の数字(+3%・+3.5%)は旧要領と同じです。
+3%は「日本銀行が定める物価安定の目標+1%」、+3.5%は「同+1.5%」と要領に書かれています。物価安定の目標は、消費者物価の前年比上昇率で2%です(2013年1月の政府・日本銀行の共同声明)。つまり物価の目標に1〜1.5ポイント上乗せした伸びを、1年度目から求める形です。
条文の対象は「IT導入補助金2022からIT導入補助金2025までの間に交付決定を受けた事業者」です。記憶に頼らず、交付決定の通知や申請マイページの記録で確かめます。当サイトの動画(2026年3月時点)でも、旧制度で交付決定を受けた事業者には3年間の賃上げ計画が要ると説明しました。7次からは、これに1年後の伸びが加わります。
改訂版は、給与の要件の基準年度を「交付申請日の属する事業年度」と明記しました。旧要領には基準年度の記載がありませんでした。労働生産性(営業利益・人件費・減価償却費の合計を総労働時間で割ったもの)の要件の基準年度は「その前の事業年度」なので、給与の要件と1年ずれます。1人当たりの給与は平均なので、入社や退職でも動きます。試算は要件ごとに基準の年度を分け、端数の扱いまで自分で計算し直します。
(テ)(ト)(ナ)のどれも、交付申請時点で賃金引上げ計画を従業員に表明することが要件です。改訂版でも変わっていません。表明したと申告したのに実際にはしていなかったと交付決定のあとで分かった場合は、交付決定が取り消されます。伝えた日と方法を記録し、メールや掲示の写真などの証拠を残しておきます。
事務局の実務から
事務局の実務では、過去に旧IT導入補助金の交付決定を受けたことを申請の準備の終盤まで確かめず、自社にかかる賃上げの要件を取り違える例が見られます。7次からは交付決定歴の有無で給与の要件が分かれるため、過去の申請の記録を準備の最初に確かめておくと慌てずに済みます。運用は公募回で変わることがあるため、最新の公募要領で確かめてください。
通常枠の補助率は原則1/2以内で、最低賃金に近い水準で雇う従業員が全従業員の30%以上の月が3か月以上あれば2/3以内です。条件の形は同じで、数える期間が「令和6年10月〜令和7年9月」から「令和7年10月〜令和8年9月」に変わりました。比べる最低賃金も令和8年度改定です。加点14も同じ期間で判定します。加点15の基準は「令和7年7月の事業場内最低賃金+63円以上」から「令和8年6月の事業場内最低賃金+55円以上」になりました。
期間が1年分新しくなるため、6次で2/3にあたった事業者が7次でも同じとは限りません。7次に出すなら、令和7年10月〜令和8年9月の賃金台帳で数え直します。加点15は、交付申請の直近月の事業場内最低賃金が、令和8年6月の額+55円以上になっている事業者への加点です。インボイス対応類型も同じ基準です。
注意:加点を受けて採択されたのに要件を達成できなかった場合は、効果報告(導入後に事務局へ出す実績の報告)で未達が報告されてから18カ月の間、中小企業庁が所管する補助金への申請で減点されます。災害などやむを得ない理由を効果報告のときに説明し、事務局が認めた場合は除きます。この扱いは新旧で同じです。
給与の要件は事業計画期間の1年度目にも達成・未達を判断しますが、1年度目の未達では補助金の返還を求めないと改訂版に明記されました。旧要領には、1年度目の判定についての記述はありませんでした。1年後の+3%(交付決定歴ありは+3.5%)に届かなくても、その時点では返還になりません。ただし、要件によっては1年度目でも返還になります。
返還の対象は、事業計画の終了時点で賃上げ要件を達成できなかった場合です。期間内に事務局へ報告しなかった場合も含みます。また、1年度目に返還を求めないのは給与支給総額の要件だけです。(ト)(ナ)には、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする要件もあります(6次までと変わらない要件)。こちらは効果報告時の直近月で未達なら、1年度目でも返還の対象です。返還が無い1年度目の伸びも、交付申請時に従業員に表明した計画の一部です。返還の仕組み全体はこの記事では扱いません。
たとえば、2022〜2025年の旧IT導入補助金で会計ソフトを入れた小売業が、次は受発注の仕組みを入れたい場合です。6次の締切までに準備がそろえば旧要領で申請でき、7次になると交付決定歴があるため1年後の給与の伸びの要件が加わります。導入の時期と来年の昇給の予定のどちらを優先するかで、出す回が変わります。自社がどの要件にあたるかを確かめたい方は、無料相談へ。
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6次締切分(2026年10月30日締切)までは旧要領、7次からは改訂版です。自社にかかる要件は、過去の交付決定の有無と、申請額が150万円以上か未満かで決まります。7次では1年後の伸びを含む計画を従業員に表明して申請します。来年の昇給を約束できないなら、6次の締切に準備が間に合ううちは6次です。準備が間に合わない、または7次の判定期間で補助率2/3にあたるなら7次を選ぶ理由になります。
1つ目は、6次の締切(2026年10月30日(金)17:00)に準備が間に合わない場合です。どちらの回でも、GビズIDプライム(行政サービスに1つのアカウントで入れる国の認証システム)の取得と、「SECURITY ACTION」(情報処理推進機構が行う、情報セキュリティ対策に取り組むことの自己宣言)が申請要件です。GビズIDプライムは発行までおおむね2週間かかると要領にあります。IT導入支援事業者(事務局に登録されたITツールの提供者)との商談・見積も申請の前に済ませます。これらがそろわないなら、7次で出すことになります。
2つ目は、補助率2/3と加点14の判定期間です。6次の期間では条件の月が3か月に届かず、上の表の7次の期間で3か月以上ある事業者は、7次なら補助率2/3の条件にあたります。3つ目に、交付決定がなく申請額150万円未満の事業者は、給与の要件が6次と7次で変わりません。準備が整う回で出せば足ります。
なお、どちらの回でも、交付決定の前にITツールを契約・発注すると補助の対象になりません。6次の交付決定日は2026年12月10日(木)の予定で、7次の締切日は2026年10月9日の時点で、事務局のデジタル化・AI導入補助金スケジュールのページに載っていません。7次を待つ場合は、日付の公表を待って改訂版の要領で逆算します。要件を満たせば採択されると決まっているわけではありません。
改訂版でも、申請額150万円以上の要件を満たす場合に、申請する補助額を自主的に5万円以上150万円未満にできます。賃上げで増える人件費と補助金の額を一緒に計算して決めます。また(ニ)に当たる事業者は(テ)(ト)(ナ)の適用外です。保険医療機関と保険薬局・介護サービス事業者・社会福祉事業を行う事業者・学校などが含まれます。
自分で確かめるのは、改訂版のデジタル化・AI導入補助金公募要領(通常枠)の「2-1-1 申請要件」・「2-3」の補助率の注記・「3-3」の加点14と加点15の3か所と、自社の賃金台帳です。賃金台帳は四半期から半年ごとに見て、1年後の判定の前に足りなさを見つけます。ITツールの選定はIT導入支援事業者に、賃上げ計画の数字の組み立てや申請の順番は専門家に相談すると、出す回を決めやすくなります。
A. 通常枠の6次締切分は2026年10月30日(金)17:00が締切で、交付決定日は2026年12月10日(木)の予定です。7次締切分は、2026年10月9日の時点で事務局の事業スケジュールに日付が載っていません。公表されしだい同じページで確かめてください。
A. かかりません。改訂版の(テ)は、旧IT導入補助金2022〜2025の間に交付決定を受けた事業者だけが対象です。申請額150万円以上の要件を満たす場合でも、申請する補助額を自主的に5万円以上150万円未満にすることは可能です。
A. 1人当たり給与支給総額の要件は、1年度目の未達では返還を求めないと改訂版に明記されています。返還の対象は、事業計画の終了時点で賃上げ要件を達成できなかった場合で、期間内に事務局へ報告しなかった場合も含みます。
A. 給与の要件の追加は、通常枠・インボイス枠(2類型)・セキュリティ対策推進枠が対象です。インボイス対応類型とセキュリティ対策推進枠の改訂版の要領にも、交付決定歴のある事業者に1年後+3.5%の要件があります。補助率2/3の判定期間の変更は通常枠だけです。
A. 2026年度の制度開始時に旧IT導入補助金から名称が変わりました。この記事は、その後の2026年10月9日の改訂(第7次公募回から)の差だけを扱っています。名称変更の経緯は関連記事をご覧ください。
デジタル化・AI導入補助金は、2026年10月9日の改訂で第7次公募回から申請要件が変わります。変更点は5つです。1年後の給与の伸び(+3%。交付決定歴ありは+3.5%)・給与の基準年度・1年度目の判定(未達でも返還なし)・補助率2/3の判定期間・加点14・15の基準です。6次締切分(2026年10月30日(金)17:00締切)は旧要領のままです。
6次の締切に準備(GビズIDプライム・SECURITY ACTION・見積)が間に合わない場合や、7次の判定期間で補助率2/3にあたる場合は、7次を選ぶ理由になります。まず旧IT導入補助金の交付決定の有無を記録で確かめ、改訂版の要領の該当箇所を読んでください。迷いが残る場合は、無料相談で自社の場合を確かめてください。
補助金サポートセンター(株式会社エムアイエス)は、事務局10年の経験を持つ中小企業診断士のチームです。自社にかかる要件の確認、賃上げ計画の数字の組み立ての支援、申請の順番の案内をお手伝いします。まずは無料相談で、過去の申請の有無と導入の予定をお聞かせください。
YouTube「マツムラ診断士の補助金虎の巻」で、この制度を中小企業診断士の松村が解説しています。
▶ 動画を見る(YouTube)
※動画は公開した時点の情報です。最新の要件・日程は、この記事と公募要領でご確認ください。
※本記事は2026年10月時点で公表されている公募要領・公式サイトの情報をもとに作成しています。要件・日程・補助額は変わることがあります。申請の前に、必ず最新の公募要領をご確認ください。
執筆:補助金サポートセンター編集部
監修:松村 昌典(2026年10月10日 監修)
株式会社エムアイエス 代表/中小企業診断士・応用情報技術者。補助金の申請支援に約15年携わり、うち10年は ものづくり補助金の事務局の運営を経験。支援実績2,000件超。制度の要件と審査の見方をふまえて、中小企業の事業計画づくりを支援しています。
山口県山口市(旧:阿知須町)生まれ 山口県立山口高校、立命館大学経済学部卒業
大学卒業後、山口県中小企業団体中央会に入職。ものづくり補助金事務局を9年間担当。
2022年5月に独立し、株式会社Management Intelligence Service(現:株式会社エムアイエス)を立ち上げる。経営コンサルタントとして支援した企業はのべ1,000社以上。ITやマーケティングに関する知見の深さと、柔軟な発想力による補助金獲得支援に定評がある。自らのM&A経験を活かした企業へのM&A支援も得意とする。
「山口県から日本を元気にする経営コンサルタント」を合言葉に、山口県内の企業はもちろんのこと、県外企業へのコンサルティングも積極的におこなっている。
〈保有資格・認定〉
中小企業診断士
応用情報技術者
〈所属・会員情報〉
山口県中小企業診断士協会 正会員
山口県中小企業組合士会 正会員
山口県中小企業家同友会 正会員