省力化投資補助金 一般型とカタログ注文型の違い|どっちか迷わず決まる

省力化投資補助金 一般型とカタログ注文型の違い|どっちか迷わず決まる

この記事は『中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)(第8回公募・2026年9月18日改訂)』にもとづいています(2026年10月確認)。

省力化投資補助金には一般型とカタログ注文型があり、どちらで出すか迷う経営者は少なくありません。この記事は、違いの早見表と、設備・負担・体制・時期の順に確かめる手順で、自社の型を決める方法を整理します。第8回公募要領とカタログ注文型の公募要領(2026年10月時点)にもとづき、事務局の実務で見てきた手戻りの防ぎ方も添えます。制度の全体像は省力化補助金 一般型で確かめられます。

目次

一般型とカタログ注文型の違いとは?

最大の違いは、導入する設備をだれが決めるかです。カタログ注文型は、カタログに登録された製品を、登録された販売事業者と共同で申請する型です。一般型は、自社の工程に合わせて設計した設備やシステムを、事業計画書の審査を受けて導入する型です。カタログ注文型は一般型より申請が迅速かつ簡易で、手間の少なさと設備の自由度が引き換えになります。

違いを1枚で:上限・補助率・審査・期間の早見表

表は、型を選ぶときに効く項目だけに絞っています。補助上限額は従業員数で決まり、賃上げなどの条件を満たすと上限が引き上げられます。

項目一般型カタログ注文型
申請のしかた自社で事業計画書を作って申請販売事業者と共同で申請
対象の設備自社向けに設計した設備・システムカタログに登録された製品
補助上限額5人以下750万円〜101人以上8,000万円5人以下500万円〜21人以上1,000万円
補助率中小企業1/2、小規模事業者など2/31/2以下
審査と交付決定審査委員会が評価。交付申請を経て決定採択と同時に交付決定
実施期間交付決定日から17か月以内交付決定日から原則1年以内
受付公募回ごと(第9回は予定)随時公募で受付中

上限額と補助率の差は「確認2」でどう使う?

一般型は上限額が大きい一方で、賃上げの条件と返還の定めがあります。1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%を目標にし、未達なら達成率に応じて補助金の返還を求められます。カタログ注文型も、上限の引き上げには給与支給総額を6.0%以上増やすなどの条件があります。上限額の大きさだけで選ばず、追加の人件費と補助額を並べて見ます。

交付決定までの流れの差は「確認4」でどう使う?

カタログ注文型は、採択と同時に交付決定が行われます。一般型は採択のあとに交付申請が別に要り、期限までに出さないと採択が取り消されます。導入を急ぐ設備なら、この差が効きます。交付決定までの日数の目安は、公募要領に書かれていません。

どっちにするか決める4つの確認(チェックリスト)

型は次の4つを順に確かめると決まります。①導入したい設備がカタログに載っているか。②投資額と賃上げの負担が補助額に見合うか。③事業計画書を書いて審査を受ける体制があるか。④いつ導入したいか。まず、カタログに載っているかを確かめるのが入口で、一般型の公募要領も申請の前にカタログの確認を求めています。

一般型とカタログ注文型を決める4つの確認の流れ図。確認1は設備がカタログに載っているか(載っていない製品はカタログ注文型の対象外)、確認2は賃上げで増える人件費と補助額が見合うか、確認3は事業計画書を書いて審査を受ける体制があるか、確認4は導入の時期(カタログ注文型は随時公募、一般型は公募回ごと)
図1 どっちの型かを決める4つの確認

確認1:導入したい設備はカタログに載っている?

カタログに載っていない製品は、カタログ注文型の対象外です。購入先の販売店も、その製品の取り扱い事業者としてカタログに登録されている必要があります。載っていない設備を入れたいときは、一般型を検討します。ただし一般型でも、汎用設備を単体で導入するだけの事業は対象外です。購入する製品は、一部カテゴリを除き単価50万円以上が条件です。

事務局の実務から
事務局の実務では、申請する設備の型番や構成をあとから変えて、見積の取り直しや計画の書き直しになる例が多く見られます。どちらの型でも、先に導入する設備を決め、それがカタログに載っているかを確かめてから型を選ぶのが、手戻りの少ない順番です。運用は公募回で変わることがあるため、最新の公募要領で確かめてください。

確認2:投資額と賃上げの負担は補助額に見合う?

一般型は、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%を目標にし、事業場内最低賃金を地域の最低賃金+30円以上にします。最低賃金引き上げ特例の事業者には、この+30円の要件は適用されません。賃上げで増える人件費を数年分で試算し、補助額と並べて見ます。追加の負担が補助額を上回るなら、投資の規模を見直します。

確認3:事業計画書を書いて審査を受ける体制がある?

一般型は事業計画書を外部有識者の審査委員会が評価し、カタログ注文型よりも審査項目が多くなります。見積額の合計が50万円(税抜)以上の物件は、同一条件の相見積もりが原則です。事業計画書は自社で作る前提のため、書く時間と担当者を先に見積もります。要件の細部は省力化投資補助金 一般型 要件で整理しています。

確認4:いつまでに導入したい?受付の時期と流れで決める

カタログ注文型は随時公募で受付中で、販売事業者との準備が整えば出せます。一般型は公募回ごとの受付です。第8回は2026年10月16日に締め切られ、第9回は2026年11月上旬に公募開始の予定です。どちらの型も、交付決定日以降に契約(発注)した経費だけが対象で、事前着手は認められません。

迷いやすい3つのケースはどう判断する?

カタログの製品に周辺機器を足して構成が変わる場合や、汎用設備を組み合わせて高い省力化効果を出す場合は、一般型の対象になりえます。製品をそのまま入れるだけなら、カタログ注文型が合います。カタログ注文型では、既に所有する製品の置き換えで省力化効果が得られない事業は対象外です。

迷いやすい3つのケースの判断の目安の表。カタログの製品に周辺機器や工事を足すときは、構成が大きく変わるなら一般型、そのまま入れるならカタログ注文型。汎用の設備を組み合わせるときは、高い省力化効果を出す組み合わせなら一般型で、単体の導入は対象外。今ある機械を置き換えるときは、カタログ注文型では省力化効果が得られない置き換えは対象外
図2 迷いやすい3つのケースの判断の目安

カタログの製品に周辺機器や工事を足したいとき

公募要領は、導入環境に応じて周辺機器や機器の数、搭載する機能が変わる場合を、一般型の考え方に含めています。カタログ注文型は、導入経費だけの申請や、1回の交付申請で複数種類の製品を申請することができません。構成が大きく変わるなら一般型、そのまま入れるならカタログ注文型です。経費の細かい判断は、公募要領の経費の章で確かめます。

汎用の設備を組み合わせて使いたいとき

一般型は、省力化に資する汎用設備を複数組み合わせて、より高い省力化効果や付加価値を生み出す場合に限って対象になります。汎用設備やパッケージソフト等の単体での導入は、対象外です。組み合わせの狙いと効果を、事業計画書で説明できるかが判断の目安です。

今ある機械を新しいものに置き換えたいとき

カタログ注文型では、既に所有する製品の置き換えで省力化効果が得られない事業は、対象外と公式のよくある質問に書かれています。迷うときは、販売事業者に確かめます。一般型の置き換えの扱いは、この記事では確かめきれていないため、第8回公募要領で確認してください。

たとえば製造業で、カタログに載っている製品を入れるつもりだったのに、動かすための架台や搬送の仕組みも足したくなった場合は、製品をそのまま入れるのか、構成を変えて一般型で組むのかで、準備が大きく変わります。自社の設備がどちらの型に収まるかを確かめたい方は、無料相談へ。
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一般型とカタログ注文型は併用できる?

同じ対象経費に両方を使うことはできませんが、別の対象経費であれば併用できます。一般型は公募回ごとに1申請までで、同時申請もできないため、どの設備をどちらで出すかを先に分けます。公式のよくある質問でも、この線引きが示されています。同じ経費には使えない点だけは、計画の最初に押さえてください。

一般型とカタログ注文型の併用の線引き。別の対象経費なら併用でき、例えばライン全体の自動化は一般型、カタログに載っている別の機器はカタログ注文型と分けられる。同じ対象経費に両方を使うことはできず、一般型は公募回ごとに1申請までで同時申請もできない
図3 一般型とカタログ注文型の併用の線引き

同じ経費には使えない・別の経費なら使える

たとえば、ライン全体の自動化は一般型、すでにカタログに載っている別の機器はカタログ注文型、と経費を切り分ければ併用できます。切り分けた経費ごとに、見積と契約の記録を分けておきます。

一般型は公募回ごとに1申請まで

同一法人・事業者の応募は、公募回ごとに1申請に限られます。1つの申請に入れる設備の範囲を、計画の段階で決めておきます。

自分で進める場合と専門家に相談する場合の違いは?

カタログ注文型は販売事業者が申請をサポートするため、自社と販売事業者で進めやすい型です。一般型は、審査項目の多い事業計画書と相見積もり、賃上げの計画を自社で用意します。書く時間と体制を先に見積もると、相談するかどうかを決めやすくなります。専門家に頼むかどうかも、この見積もりで決まります。

自分で進めるときに用意するもの

  • 導入の背景と、省力化したい作業
  • 既存設備と、導入したい設備の構成
  • 費用と納期の見込み(見積)
  • 従業員数と、賃上げの計画
  • カタログ注文型なら、製品と販売事業者の候補

相談するなら先に確かめておくこと

エムアイエスの支援は、計画づくりの支援と内容の確認、手続きの案内です。申請書類を作る役は、申請者自身です。相談の前に、導入の背景・既存設備・費用と納期・従業員数・賃上げの考えをまとめておくと、話が早く進みます。

型を決めたら次に何をする?

カタログ注文型を選んだら、カタログで製品と販売事業者を探して販売事業者に相談します。一般型を選んだら、第9回の公募(2026年11月上旬開始の予定)に向けて、要件と対象経費を確かめ、設備の構成と見積を固めます。どちらも交付決定の前に契約した経費は対象外です。

型を決めたあとにすることの比較表。カタログ注文型は、カタログで製品と販売事業者を探して販売事業者に相談し、製品も販売店もカタログに登録されているか確かめる。差し戻された申請は180日以内に再提出しないと無効。一般型は、第9回の公募(2026年11月上旬開始の予定)に向けて要件と対象経費を確かめ、設備の構成と見積を固める。採択後、期限までに交付申請を出さないと採択が取り消される
図4 型を決めたあとにすること

カタログ注文型を選んだら:製品と販売事業者を探す

製品も販売店も、あらかじめカタログに登録されている必要があります。申請は中小企業等と販売事業者が共同で行い、差し戻された申請は、差し戻した日から180日以内に再提出しないと無効です。交付決定の通知を受けてから、補助事業に着手します。

一般型を選んだら:第9回の予定に合わせて準備する

第9回は予定の段階のため、公式のスケジュールで日付を確かめます。準備では、要件を確かめたうえで、設備の構成と見積を固めます。採択後は、期限までに交付申請を出さないと採択が取り消されます。読む場所は、一般型なら補助上限と要件の章、カタログ注文型なら補助上限と対象経費の章です。

よくある質問

Q. カタログに載っていない設備はカタログ注文型で申請できますか?

A. できません。公式のよくある質問は、掲載されていない製品は対象外としています。載っていない設備を入れたい場合は、一般型を検討します。ただし一般型でも、汎用設備を単体で導入するだけの事業は対象外です。

Q. 一般型とカタログ注文型に同時に申請できますか?

A. 同じ対象経費には併用できませんが、別の対象経費なら併用できます。一般型は、同一法人・事業者の応募が公募回ごとに1申請までで、同時申請はできません。

Q. カタログ注文型でも事業計画は要りますか?

A. 要ります。労働生産性を年平均成長率3.0%以上向上させる事業計画を策定する要件があります。ただし、一般型より申請が迅速かつ簡易です。

Q. 一般型の次の公募はいつですか?

A. 第9回は2026年11月上旬に公募開始の予定です。予定のため変わる場合があり、公式のスケジュールで確かめます。第8回は2026年10月16日に締め切られました。

Q. 交付決定の前に注文してもよいですか?

A. いけません。交付決定を受けた日付以降に契約(発注)したものだけが対象です。カタログ注文型でも、事前着手はいかなる理由でも認められません。

まとめ

一般型とカタログ注文型の違いは、導入する設備をだれが決めるかと、審査の重さにあります。迷ったら、カタログに載っているか、投資額と賃上げの負担、計画書の体制、導入の時期の順に確かめれば、型が決まります。

次の一歩は、導入したい設備の型番と構成を決めることです。そのうえで、一般型なら第8回公募要領の補助上限と要件の章、カタログ注文型なら公募要領の補助上限と対象経費の章を読みます。迷うケースは、無料相談で確かめられます。

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補助金サポートセンター(株式会社エムアイエス)では、補助金の事務局10年の経験を持つ中小企業診断士が、制度選び・事業計画づくり・採択後の手続きまでを支援します。申請書は申請者ご自身が作成するものです。私たちは、計画の考え方の整理と内容の確認でお手伝いします。

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参考資料

※本記事は2026年10月時点で公表されている公募要領・公式サイトの情報をもとに作成しています。要件・日程・補助額は変わることがあります。申請の前に、必ず最新の公募要領をご確認ください。

この記事について

執筆:補助金サポートセンター編集部
監修:松村 昌典(2026年10月23日 監修)
株式会社エムアイエス 代表/中小企業診断士・応用情報技術者。補助金の申請支援に約15年携わり、うち10年は ものづくり補助金の事務局の運営を経験。支援実績2,000件超。制度の要件と審査の見方をふまえて、中小企業の事業計画づくりを支援しています。

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この記事を書いた人

山口県山口市(旧:阿知須町)生まれ 山口県立山口高校、立命館大学経済学部卒業

大学卒業後、山口県中小企業団体中央会に入職。補助金の申請支援に約15年携わり、うち10年は ものづくり補助金の事務局の運営を経験。

2022年5月に独立し、株式会社Management Intelligence Service(現:株式会社エムアイエス)を立ち上げる。支援実績2,000件超。自らのM&A経験を活かした企業へのM&A支援も得意とする。
「山口県から日本を元気にする経営コンサルタント」を合言葉に、山口県内の企業はもちろんのこと、県外企業へのコンサルティングも積極的におこなっている。

〈保有資格・認定〉
中小企業診断士
応用情報技術者

〈所属・会員情報〉
山口県中小企業診断士協会 正会員
山口県中小企業組合士会 正会員
山口県中小企業家同友会 正会員

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